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「児玉健次さんの死を悼む」(弁護士 髙崎 暢)

児玉健次さんの死を悼む

                   弁護士 髙崎 暢

共産党元衆議院議員であり、安保関連法違憲北海道訴訟の原告でもあった児玉健次さんが、2月24日、亡くなった。1986年の衆議院初当選以来4期14年務めた。日本共産党を励ます法律事務所後援会の事務局長として、初当選を喜んだことが昨日のように思われる。

また、児玉さんは、原告として、安保関連法違憲訴訟にも積極的で、いろいろ建設的な意見をいただいたことが懐かしい。特に、第7回口頭弁論で原告意見陳述をしてもらったときは、自衛隊イラク派兵などで政府を追及した経験をもとに安保関連法の違憲性を具体的にその論拠を堂々と述べられ、それは現職時の国会質問をほうふつさせる迫力で、しゃきっと背筋を伸ばし、理路整然と話をする姿が目に浮かぶ。

児玉さんは、広島県出身で、疎開先で被ばくを免れたが、親きょうだいを失った級友を多く見て、「原爆や戦争をなくす」という信念はそこで培った。高校の歴史教師として「子供たちを戦場に送ってはならない」と、過去の教訓を教えてきた。

また、公私ともに親しくしていただいた児玉さんは几帳面な性格で、内容を推敲するために違憲陳述書の原稿を二度も送ってきた。詳細な元原稿は私の宝とさせてもらっている。

児玉さんは、誰よりも強く安保関連法の違憲判決を望んでいた。安保関連法は憲法9条に違反するという札幌高裁の判決を必ず勝ち取り、児玉さんの墓前に報告したい。

安らかにお眠りください。

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