ドイツの新政権が、核兵器禁止条約の締約国会議(来年3月22日から、オーストリアで開催)に参加する方針を決めた。同会議には非締約国やNGOなどがオブザーバー参加するが、10月14日、北大西洋条約機構(NATO)加盟国のノルウェー政府参加を決めていた。
ドイツは、核を持たないが、NATOの一員として冷戦時から国内に米国の戦術核が配備され、日本と同様に、米の「核の傘」のもとにある。
そのほか、非加盟国のスイス、スエーデン、フィランドも相次いで核禁条約締約会議へのオブザーバー参加を表明している。
核による「恐怖の均衡」を打ち破るには従前の核軍縮の枠組み不十分という認識が高まっている証拠といえそうである。
被爆地・広島選出の岸田首相は、核兵器廃絶を「ライフワーク」とし、著書「核兵器にない世界へ 勇気ある平和国家の志」(2020年10月刊)もある。
「聞く耳」を持つ首相には、欧州の動きがをどのように聞こえているのか。「核なき世界」実現に一歩を踏み出す時である。
(2021年12月6日記)