軍縮と安全の問題を審議する国連総会第1委員会は10月27日、核兵器禁止条約を支持する決議を賛成123、反対42、棄権16の圧倒的大差で採択しました。日本はことしも反対投票でした。
同決議は、核兵器禁止条約(注1)が今年1月22日に発効したことを歓迎し、来年3月22日から24日まで、第1回締約国会議をオーストリア・ウィーンの国連事務所で、非締約国やNGOなどのオブザーバー参加も含めて開催することを確認しています。決議はまた、すべても国に対して条約の署名、批准、受託、承認、加盟を可能な限り早期におこなうことをよびかけています。
なお、賛成票は昨年の第1委員会での同趣旨の決議を5票上まわっています。
それに先立ち、14日、北大西洋条約機構(NATO)加盟国のノルウェー政府が来年3月開催予定の核兵器禁止条約締約国会議にオブザーバー参加することが明らかになりました。NATO加盟国の同会議への参加は初めてです。
残念ながら、唯一の被爆国である日本の政府は、被爆国に対する国際社会の期待や、ヒバクシャの願いに背を向けて、核兵器禁止条約に一貫して反対し続けています。
国際社会は、冒頭に書いたように、核兵器のない世界の実現に向けて確実に大きく動いています。この事実を直視し、日本政府だけでなく、核兵器の保持の有無にかかわらず、諸国の政府に核兵器禁止条約への支持と参加を呼びかけ、核兵器廃絶へと前進させたいと思います。
(注1)2017年7月7日採択され、史上初めて、核兵器が違法な兵器となりました。この条約は、締結した国は当然、条約を拒んでいる国も、政治的・道義的に責任を問われ、核兵器を自国の「安全」のために持ったり使ったり核で他国を脅かすこともできなくなりました。